抄録
感染対策に関する基本的な知識や技術は患者に安全な理学療法を提供し、実施する側も自己を守るうえで、近年その重要性が注目されている。大切なのは個人だけでなく、すべての医療従事者が遵守することである。必要な対策を講じても、臨床場面では種々の感染症に遭遇することがある。感染症かどうかの判断は、患者の背景、病歴や身体所見、各種検査データ、バイタルサインなどから行い、離床を進めるうえで情報収集しどのように判断を下すかは、理学療法士の腕の見せどころである。臨床判断力を磨くうえで、感染症に罹患した際、私たちの体でどのような反応が起こっているか、免疫防御反応や炎症が果たす役割を理解し、検査データやバイタルの正常値だけにとらわれず、増加、減少傾向も踏まえ、臨床の中で意味するものを把握し、目の前の患者が「今」どのような症状なのか、患者の全身状態から感染徴候を見逃さないようにすることが重要である。