2024 年 34 巻 1 号 p. 25-31
【目的】バレーボールのスパイクジャンプ着地時における膝関節運動はボール位置により変化するかを確認すること。 【方法】対象は大学女子バレーボール選手14名とし、課題動作はスパイクジャンプとした。比較条件はスパイク時のボール位置とし、通常位置、利き手側、非利き手側の3条件に設定した。三次元動作解析装置、床反力計を用いてスパイクジャンプ着地時の膝関節運動を測定し、解析区間は着地動作中の足尖接地時から膝関節最大屈曲時までとした。3条件の膝関節運動の比較に反復測定分散分析、事後検定にBonferroni法を用いた。 【結果】スパイクジャンプ着地時の膝関節屈曲角度は3条件間で有意な差は認められなかった。足尖接地時の膝関節外反角度および最大膝関節外反モーメントはボール位置が非利き手側で有意に増大した。 【結論】ボール位置はジャンプ着地時の膝関節運動に影響し、非利き手側に位置する場合で膝前十字靱帯損傷の発生リスクが増大する可能性が示された。