抄録
「目的」認知課題中に生じる予測可能な外乱が立位姿勢応答と脳活動に与える影響を調べ、二重課題中の姿勢制御に関わる皮質制御様式を明らかにすることを目的とした。
「方法」健常若年成人31名は、予告音の後に床が前方へ動く床外乱刺激に対して立位姿勢を維持しながら減算する二重課題(DT)と減算しない対照課題(CT)を実施した。脳波はFzおよびCzから記録し、外乱刺激後0~0.3秒に生じる外乱誘発電位(N1)の潜時と振幅を求めた。さらに外乱刺激に対する立位姿勢応答を評価するために足圧中心(COP)の前後方向への最大振幅とその時間を計測した。
「結果」N1振幅は有意な交互作用があり、DTではCzでの振幅が増加した。COPの前後移動時間はDTで有意に延長した。
「結論」認知課題の付加は立位姿勢制御に関わるより多くの神経活動を要求した。そのため運動野活動を増加させ、これによって姿勢動揺を調節した可能性が考えられる。