食品照射
Online ISSN : 1884-3611
Print ISSN : 0387-1975
ISSN-L : 0387-1975
ガンマ線照射による魚肉エキスの呈味と成分の変化
奥 忠武
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 20 巻 1-2 号 p. 1-4

詳細
抄録

魚貝類のエキスは濃縮され,その一部は調味液として利用されているが,いわゆる魚臭という点で問題がある。とくに赤身魚肉は特有の臭をもつものが多い。魚臭は主に揮発性化合物に起因すると考えられている。また,フィシュミールでは,製造時に濃縮のための加熱に長時間を要するといわれる。
魚貝肉エキスの味は,微量成分のアミノ酸,核酸,低級有機酸,塩類などによるといわれている。魚肉や畜肉に10kGy(Mrad)の高い線量の照射処理を行った場合には,異臭が生ずることはすでに多数の報告があり,最近総説も出されている。
本報告では,マイワシエキスに2.5kGyまでの低線量照射を行った場合のエキスの風味と微量成分の変化について,非照射の場合と比較した。その結果について報告する。

著者関連情報
© 日本食品照射研究協議会
次の記事
feedback
Top