食品照射
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食品照射の現状と展望
Harry E. Goresline
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1973 年 7 巻 2 号 p. 1-7

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抄録

研究の進展, 研究計画件数の増加, 世界におけるバイロツトプラントの数, 規模, 線源の大きさの増加, 研究の結果と情報交換における国際間の協力態勢の進歩, 安全性試験の費用の分担, 関連領域における各国共通の放射線の問題を解くにあたっての共同作業, といつた広範の項目をとらえて, この技術の現状を概説する。
第一回の食品照射国際シンポジウム以後の6年間になされた研究や開発における進歩は, 世界の食糧産業における放射線の利用の将来的可能性の展望であると言い換えれる。その市場流通期間を延長する必要性に適合した, いろいろの食品や飼料の貯蔵に対する利用の可能性と、病原性の微生物や寄生虫を殺減することと, 流通安定性の産物を生産することとを指摘する。また, 経済的観点や国際貿易における照射食品の利用の可能性についても論ずる。
農業生産物の新品種, 包装, 貯蔵, 輸送, 標示, 消費関連情報, 法的概念, 地域的な人々の消費に対する照射食品の許可および輸出されるような照射食品の, それを受け入れる国における許可の問題, こういった事項は, 食品産業や食品流通の中で, 照射工程をとりこんでいくことを現実化する上で, 当面注目して歩かねばならない副次的事項であるが, これらについても論ずる。

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© 日本食品照射研究協議会
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