Journal of Reproduction and Development
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技術短報
125I標識ホルモンを用いたコルチゾールのラジオイムノアッセイと各種動物の測定例
新井 浩司渡辺 元藤本 美和永田 俊一竹村 勇司田谷 一善笹本 修司
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1995 年 41 巻 5 号 p. j15-j20

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抄録

125I標識ホルモンを用いて,コルチゾールのラジオイムノアッセイの設定を試み,簡便,かつ高感度なアッセイをエーテルによる一回抽出法により安定して実施するに至った.1)エーテル抽出 標準溶液および血漿(血清)サンプル(0.2~10 μl)を抽出用ガラス試験管(13×100 mm)に取る.純水を加えて全量を400 μlとし,これにジエチルエーテル2 mlを加えて攪拌する.5分静置後,試験管をドライアイス・エタノール槽に浸して,水層を凍結させ,デカンテーションによりエーテル層を測定用ガラス試験管(12×75 mm)に移した後,乾固させる.これに1%BSA・PBS100 μlを加えて約2分間攪拌し,抽出物を溶出させる.2)ラジオイムノアッセイ 抽出物を溶出させた試験管に第一抗体100 μlと標識ホルモン100 μlを加え,4Cにて24時間反応させた後,第二抗体100 μlを添加する.さらに4Cにて24時間反応させ,4C,1700 gで遠心分離して,得られた沈渣の放射活性をγ-カウンターにて測定する.標準溶液から得られた標準反応曲線を用い,サンプル中のコルチゾール濃度を算出する.本法を用いて,ウサギ,ヒツジ,ヤギ,ウシ,ゾウ及びサルの血中コルチゾール濃度を測定した結果,いずれの動物でも0.2~10 μlの血漿あるいは血清により,測定が可能であった.また,成熟雌ヤギに2用量のACTHを静脈注射後,本法を用いて経時的に血中コルチゾールを測定した結果,ACTHの用量依存性に血中コルチゾールの上昇が認められた.以上の結果から,本法を用いることにより,簡便に,しかも少量の血清あるいは血漿サンプルにより各種動物の血中コルチゾール濃度の測定が可能である.

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© 1995 Society for Reproduction and Development

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