Journal of Reproduction and Development
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技術短報
犬人工授精の予備的試験
人工陰茎による液体の子宮内輸送
小嶋 佳彦川上 静夫紫野 正雄大地 隆温
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1996 年 42 巻 5 号 p. j35-j38

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抄録
犬の陰茎は,腟内に挿入後,亀頭球が増大して,coital-lockが形成される.今回,空気を入れると勃起した陰茎と類似した形状となるラテックス製犬人工陰茎を試作し,その機能性を検討した.あらかじめ空気をぬいた人工陰茎を発情犬の腟内に挿入して,注射器でチューブを通して空気を送入し,膨満させた.この人工陰茎は,亀頭球に擬した部分も膨満するので腟外脱出が防止できた.次にこの陰茎の先端に開口している細いチューブを通じて液(造影剤)を注射器で送り込んだ.5分後にX線撮影を行ったが造影剤は両子宮角の全域に進入した.この結果から,この人工陰茎は人工授精に効力を発揮することが示唆された.一方,従来から行われている犬の後部を持ち上げての腟深部授精でも高い受胎率が得られているので,比較検討を行うことが必要である.
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© 1996 Society for Reproduction and Development

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