Journal of Reproduction and Development
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技術短報
アセトニトリル・n-ヘキサン分配法を用いた低濃度の血中エストラジオール-17β測定のための簡便な脱脂法
永田 俊一近藤 昌弘金子 浩之荒木 一司南保 泰雄及川 正明渡辺 元田谷 一善
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1996 年 42 巻 5 号 p. j43-j49

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抄録
血中エストラジオール-17β 濃度の低い動物の血中エストラジオール-17β を,測定するための血液の脱脂法を検討し,アセトニトリルを用いてn-ヘキサンと分配することにより,従来から用いられてきたメタノールを使用する方法に比べて,迅速で回収率の高い脱脂方法を確立した.血清(血漿)1 mlから,ジエチルエーテルによる一回抽出法で抽出乾固したステロイド分画に,アセトニトリル0.5 mlとn-ヘキサン1.0 mlを加えて撹拌し,遠心分離してn-ヘキサン層を吸引除去する.次に,再度n-ヘキサン1 mlを加え,撹拌せずにn-ヘキサン層を吸引除去する.もう一度この操作を繰り返して,最後にエバポレーターあるいは窒素ガスでアセトニトリル層を乾固し,ラジオイムノアッセイにてエストラジオール-17β を測定する.この脱脂方法を用いることにより,短時間で血清(血漿)から抗原抗体反応抑制物質を除去することが可能であり,また低濃度の工ストラジオール-17β の回収率および再現性も満足できる結果が得られた.この脱脂方法を利用することにより,エストラジオール-17β 濃度が低い動物においても,安定した測定が可能である.
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© 1996 Society for Reproduction and Development

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