1970 年 16 巻 1 号 p. 30-32
受精卵の性鑑別を容易にするために,家兎受精卵におけるsex chromatinの出現日令と,存在部位の偏りを調べた。1~4日令の受精卵では,静止核がとらえにくく,sex chromatinが見られなかった。5日令では全体の35.4%の核に,6日令では全体の51.2%の核にsex chromatinがみられた。また,5日令と6日令の受精卵については,卵を4区にわけ,sex chromatinを有する核の割合をみた。5日令ではA区(内細胞塊)とD区(内細胞塊に対する側)との間に有意差がみられた。受精卵の性鑑別には,5日令と6日令のものがよく,5日令では,内細胞塊に対する側の細胞がよい。