家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
牛におけるProstaglandinFの筋肉注射による発情同期化
中原 達夫百目 鬼郁男金田 義宏
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1975 年 21 巻 1 号 p. 23-27

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抄録
牛においてPGF を筋肉注射した場合に,黄体を退行させうる本剤の最小有効用量ならびにこの投与法によるPGFの発情同期化効果について検討して,次の成績を得た。
1.体重が平均421kgの実験牛において,排卵後7~14日の黄体開花期に,蒸留水5mlに溶解したPGF6~30mgあるいはプロピレン•グリコール5mlに懸濁したPGF8~10mgを筋肉注射した結果,黄体は処置後急速に退行して,これに伴って新たな卵胞の発育が起こり,処置後4~6日,大多数は4日に排卵した。しかし蒸留水に溶解したPGF 5mg あるいはプロピレソ•グリコールに懸濁したPGF 4~6mgを注射した場合には,大多数の黄体は退行しないか,あるいは処置後1~4日の間に軽度に萎縮した後再び発育を開始して,結局,性周期に著しい変化がみられなかった。これらの成績から,PGF を筋肉注射した場合に黄体を確実に退行させうる本物質の最小有効用量は,蒸留水に溶解したPGFでは6mg,プロピレン•グリコールに懸濁したPGFでは8mgで,両者の間に著しい差違のないことを認めた。
2.体重が平均337kg(275~413kg)の放牧牛17頭(ホルスタイン種未経産牛10頭,日本短角種未経産牛7頭)において,黄体期に蒸留水5mlに溶解したPGF 10mgを筋肉注射した結果,処置後2~5日の間に12頭(70.6%)に発情の発現がみられた。残りの5頭のうち3頭においては処置後2~4日の間に黄体は退行して新たな卵胞が発育したが,発情,排卵は処置後7~9日に遅れて起こった。他の2頭においては黄体の退行はみられなかった。これらの成績から,蒸留水に溶解したPGFの筋肉注射によって,牛の発情,排卵を同期化することが可能であることを認めた。
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© 日本繁殖生物学会
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