Journal of Reproduction and Development
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ネオマイシンリン酸転移酵素遺伝子導入ES細胞キメラマウスの交配試験ならびに子孫の遺伝子解析
岡崎 正幸林 司古沢 軌徳永 智之須藤 忠
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1993 年 39 巻 5 号 p. j1-j6

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抄録
非129系マウス由来の胚性幹細胞(F1/1細胞)がトランスジェニック(Tg)動物の作製に応用可能か否かを検討する目的で,外来遺伝子導入F1/1細胞に由来するキメラマウスの子孫の遺伝子解析を行った.
ネオマイシンリン酸転移酸素(neo)遺伝子導入F1/1細胞を用いて作製したキメラマウスをICR系マウスと交配し,産子(第1世代,F1)の毛色を調べることによってそれらの生殖系列におけるキメラ状態を検討した.その結果,妊孕性を持つ雄キメラマウスの50~100%は生殖系列キメラで,その大半は,生殖細胞のすべてがneo遺伝子導入F1/1細胞由来のもので構成されていた。また,F1マウスのゲノムDNAを抽出してサザンプロット解析を行った結果,neo遺伝子は子孫へと伝達されていることが確認された.次いで,neo遺伝子が検出されたF1マウスの交配を行って第2世代(F2)マウスを得て,その被毛からゲノムDNAを抽出し,neo遺伝子の存在をPCR法によって確認したところ,F2マウスにもneo遺伝子が伝達されていることが判明した.また,F2のTgマウスを野生型マウスと交配し,得られた産子の遺伝子解析を行うことによりホモ接合体の同定を試みた結果,neo遺伝子をホモに持つ個体が同定された.
以上の結果から,F1/1細胞に導入した外来遺伝子は,キメラマウスの生殖系列を経由してその子孫に伝達されることが確認され,F1/1細胞がTgマウスの作製に応用可能であることが示唆された.
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