抄録
雄馬の血中テストステロン(T)とジヒドロテストステロン(DHT)の日内変動と24時間平均濃度に対する年齢と季節の影響を調べるために,延べ22頭の雄馬から各季節ごとに1時間間隔で24時間にわたって採血し,両ホルモンをRIA法で測定した.11~17歳の雄馬(11~17歳群)では, T濃度は各季節とも明瞭な2つのピークが認められた.第1ピークは昼間,第2ピークは夜間に現れた.第1ピークの出現時刻と日出時の間には有意な相関が認められた(r=0.69,P<0.05).一方, DHT濃度は低値で推移し,明らかなピークはみられなかった.20~21歳の雄馬(20~21歳群)では,T濃度は二相性変化を示さず,またDHT濃度は低値で推移し,明瞭なピークはみられなかった.11~17歳群の両ホルモンの24時間平均濃度は夏季が最も高く,秋季が最も低かった(T,P<0.01;DHT, P<0.05).20~21歳群のT24時間平均濃度は春季が最も高く,秋季が最も低かった(P<0.05).DHT平均濃度は冬季と春季が夏季と秋季よりやや高かったが,有意な差ではなかった.同じ季節について群間の24時間平均濃度を比較すると,夏季における11~17歳群のT24時間平均濃度が20~21歳群より有意に高かった(P<0.05).しかし,それ以外では有意な差は認められなかった.したがって,雄馬の血中T濃度は二相性に変動し,その変動は24時間平均濃度とともに年齢と季節に影響されるといえる.