Journal of Reproduction and Development
Online ISSN : 1348-4400
Print ISSN : 0916-8818
ISSN-L : 0916-8818
乳牛における双子娩出前後の臨床所見,血液性状および血中性ステロイドホルモンの変化
大道寺 郁子井関 尚子笠井 裕明平田 統一岡田 啓司三宅 陽一金田 義宏
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 39 巻 5 号 p. j23-j29

詳細
抄録
ホルスタイン種乳牛で双子を娩出した5例の娩出前7日から娩出後3日までの臨床所見と血液性状,および血中性ステロイドホルモンの消長を調べ,単子を娩出した8例のそれらと比較検討した.その結果,妊娠期間は,双胎では単胎に比べ約8日短縮し有意(P<0.05)に短かった.難産のため助産を要したものは双胎の2例にみられ,胎盤停滞は単胎ではみられなかったが,双胎では3例で娩出後12時間以内に一側の子宮角の胎盤が排出されたほかは全例で停滞した.また,双胎では単胎に比べて,体温は娩出前1日から娩出直後までの間に38.5C以下に下降しない例と娩出後3日の間に39.6C以上に上昇した例が多く,娩出後3日間における仙坐靱帯の回復の程度は緩慢であった.血中グルコース濃度は娩出前7~1日の値および娩出直後から6時間の間における最高値が低く,末梢血白血球のSeg/Lym比は娩出後1~3日の間,好酸球数は娩出前8日から娩出後3日までの間低い値で推移した.血中エストロジェン値は娩出後の減少の程度が緩慢であり,血中プロジェステロン値は娩出後1日以内にわずかな増加を示すものがあった.以上のように,乳牛の双子娩出前後における諸所見は単子のそれらに比べてかなり異なる様相を呈することが認められた.
著者関連情報
© 日本繁殖生物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top