日本繁殖生物学会 講演要旨集
第106回日本繁殖生物学会大会
セッションID: OR1-4
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卵巣
グレリンの顆粒層細胞アポトーシス阻害因子を介した卵胞閉鎖におよぼす影響
*眞鍋 昇東福 望小野山 一郎福本 善乃助後藤 康文李 俊佑
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抄録
【目的】グレリンは,絶食時に産生が亢進して下垂体からの成長ホルモンの分泌を促進したり視床下部にはたらいて食欲を増進させる働きを持つ胃のX/A-like細胞が産生するペプチドホルモンとして1999年国立循環器病センターの児島らによって発見された。演者らは,グレリンとその受容体growth hormone secretagogue receptor (GHSR)-1aのmRNAとタンパクがブタ卵巣顆粒層細胞に発現していることを見いだしたので生殖系にあたえる影響を調べている。これまで本学会でグレリンが卵胞閉鎖に支配的に関わっている顆粒層細胞におけるアポトーシスを抑制することを報告してきた。今回顆粒層細胞アポトーシスを調節している囮受容体,可溶受容体,細胞内アポトーシス阻害因子のうち細胞内アポトーシス阻害因子の発現亢進を介して顆粒層細胞アポトーシスを抑制することで卵胞閉鎖に影響していることを見いだしたので報告する。【材料と方法】成ブタ卵巣から卵胞発達ステージ別に顆粒層細胞を調製し,グレリンと受容体およびアポトーシス関連因子のmRNAあるいはタンパクの発現を調べた。卵胞の連続切片を作製し,卵胞発達ステージ依存的に推移を認めた因子の局在の推移を調べた。次に顆粒層細胞の培養液に末梢血中グレリン濃度を挟むように添加濃度を設定してグレリンを添加し,アポトーシス関連因子のmRNA発現におよぼす影響を調べた。【結果と考察】グレリンと受容体およびアポトーシス調節因子は健常卵胞の顆粒層細胞において高発現していた。免疫染色の知見からもこれらが健常卵胞の顆粒層細胞に発現していることが確認でき,閉鎖卵胞ではほとんど検出できなくなることが分かった。加えて培養顆粒層細胞においてグレリンは細胞内アポトーシス阻害因子の発現を亢進することが分かった。これらの知見から,顆粒層細胞においてグレリンが細胞内アポトーシス阻害因子の発現を亢進させてアポトーシスを抑制することで卵胞閉鎖の調節に関わっていると考えられた。
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© 2013 日本繁殖生物学会
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