日本繁殖生物学会 講演要旨集
第106回日本繁殖生物学会大会
セッションID: P-84
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卵・受精
トランスジェニックマウスを用いた卵母細胞特異的発現遺伝子Histone H1ooのプロモーター解析
*内堀 翔清水 なつみ畑中 勇輝西原 卓志武本 淳史樋口 智香守田 昂太郎永井 宏平天野 朋子岸上 哲士細井 美彦松本 和也
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抄録

【目的】母性遺伝子由来転写産物やタンパク質は,卵胞発育,受精及び胚発生に重要な役割を果たしている。これまでの研究から,母性遺伝子の機能解析において糖タンパク質の一つであるZp3のプロモーターが用いられている(Millar et al., 1991; Linang et al., 1997)。しかし,原始卵胞ではこのプロモーターの転写活性が認められず,また卵母細胞で発現する他のプロモーターについても情報は少ない。我々は,卵母細胞における母性遺伝子の機能解析を行うためのツールとしてHistone H1foo(H1oo)のプロモーター領域を単離し(Tsunemoto et al., 2008),下流にホタルルシフェラーゼ遺伝子を結合した導入遺伝子を組み込んだトランスジェニックマウスを3系統(H14・H16・H19系統)作出した。本実験では,これらのトランスジェニックマウスにおける導入遺伝子の発現を明らかにすることを目的にトランスジェニックマウス由来卵母細胞及び初期胚,各組織におけるルシフェラーゼの発現を検討した。【方法】導入遺伝子が導入された雌マウスに過排卵処置を行い体外受精を施した。培養後,各発生段階でシングルフォトンイメージング装置を用いてルシフェラーゼ活性を測定した。また,各組織をタンパク質抽出し,ルミノメーターを用いて発光量を測定した。【結果及び考察】H16系統での卵母細胞及び初期胚で導入遺伝子の発現が認められ,H1ooの転写制御下でマーカー遺伝子であるホタルルシフェラーゼが発現していることが明らかになった。

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© 2013 日本繁殖生物学会
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