日本繁殖生物学会 講演要旨集
第113回日本繁殖生物学会大会
セッションID: P-63
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ポスター発表
培養ウシ卵管平滑筋細胞のCa2+変動解析
*山本 ゆき石本 健太木村 康二
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抄録

【目的】卵管は平滑筋の自発的な収縮弛緩運動によって配偶子や初期胚を輸送する。筋収縮には細胞内Ca2+濃度の上昇が必須であり,我々はこれまでに,培養ウシ卵管平滑筋細胞が自発的なCa2+変動を示すことを見出している。しかしその変動パターンや制御機構は明らかでない。本研究では培養卵管平滑筋細胞のCa2+変動パターンやCa2+濃度上昇に関与するメカニズムを検討し,卵管平滑筋細胞の収縮活動制御機構を明らかにすることを目的とした。【方法】ウシ卵管峡部より単離,培養した平滑筋細胞のライブセルCa2+イメージングを実施した。撮影した動画を用いて,1)Spatio-Temporal Mapping 解析による細胞内Ca2+上昇の伝播パターン,2)低密度(<70% コンフルエント)および高密度(>100%コンフルエント)状態における培養平滑筋細胞のCa2+上昇パターンとCa2+パルス頻度,3)電位依存性Ca2+チャネル(VDCC),IP3受容体,リアノジン受容体の阻害剤が培養平滑筋細胞のCa2+変動に与える影響,について検討した。【結果】1)細胞内Ca2+変動には,同時に細胞全体のCa2+濃度が上昇するFlashと,細胞の端から逆方向へウェーブ状に伝播するWaveの2種類のパターンが認められた。2)低密度の状態では,WaveよりFlashを示す細胞数が有意に多かったが,高密度の状態ではWaveを示す細胞数が増加した。また,Wave を示す細胞のCa2+パルス頻度が低密度状態に対して高密度において有意に高かった。一方,Flash を示す細胞のパルス頻度は密度によって変化しなかった。細胞間接着がCa2+Waveの発生に関与することが推察された。3)VDCCおよびリアノジン受容体阻害剤は細胞内Ca2+変動に影響を及ぼさなかったが,IP3受容体阻害剤は直ちにCa2+パルスを数分間停止させた。培養ウシ卵管平滑筋細胞の自発的Ca2+変動は,小胞体上のIP3受容体の開口によって発生することが示唆された。

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