2006 年 46 巻 2 号 p. 125-147
東南アジアでは,地域住民や資源利用者が資源管理に関する決定過程への参加の度合いが高まり,沿岸域資源管理に関する地方分権化が急速に進んでいる。多くの国で,多種多様な地方分権型・参加型アプローチを開発する努力を続けている。地域拠点型アプローチ(Community-based approach)は資源の持続的利用,資源分配の平等性,効率的な資源配分,平等な資源分配を実現するうえで最も効果的なものだと考えられている。しかし,沿岸漁業をめぐる社会経済的なドラスティックな変化が生じるなかで,CBRMモデルをさらに発展させる必要性がでてきている。本論文の課題は,第1に,地方分権化,住民参加,地方自治体の役割等を含めた,沿岸域資源管理の制度的な発展について議論することである。第2に,過去および現在のCBRMプロジェクトの実践を踏まえて,CBRMのモデル化への指針を呈示することである。第3に,地方分権型・参加型資源管理をとりまく制度的枠組みについて検討することである。こうした課題の検討を踏まえて,東南アジアにおけるCBRMの今後の方向性を明らかにしている。