使用漁具に関する漁業者の行動を理解するために,インドネシアのペラブハンラテュ湾の水揚げと使用漁具の時間的動態に関する研究を行った。ペラブハンラテュ湾における小規模漁業では,主な8種の魚を捕獲するために,5つのタイプの漁具が使われている。水揚げの種組成から,二つの特徴的な漁具のタイプを定義した。一つは単一種の標的魚を漁獲する漁具(手釣りと固定式刺し網)で,もう一つは複数の目的種を漁獲する漁具(まき網,流し刺し網,敷網)である。月々の水揚げ量と使用漁具はともに時間的に変動した。手釣りを除くと大抵の漁具は乾季により集中して用いられ,目的種の水揚げの増加と一致した。月々の多目的種漁具の使用と水揚げ量の間には有意な相関が認められた。しかし,単一種をねらう漁具の使用と水揚げ量の間には有意な相関は認められなかった。水揚げ量の不確実性を最小にするために,漁船のタイプと融通性に依存して,漁業者は異なる操業をするようになった。短期的(月々)には,使用漁具のタイプによって,漁業者は操業を減らしたり,目的種を変えたりして水揚げ量の変動に対応していた。一方長期的には,船の融通性に依存して,漁業者は他の漁具に変えて操業していた。