2009 年 49 巻 2 号 p. 39-55
本論文は,中国の夏季休漁体制に関する進展状況,その現実,将来性に関して分析を試みたものである。夏季休漁体制は,1995年から正式に導入された。1999年までには,中国のすべての海域は,このシステムによって管理されるようになった。そして,この年から操業が禁止された。2005年の夏季休漁中には,12万隻の漁船と100万人の漁業者達の中国海域における漁労活動が禁止された。本論文では,夏季休漁期間における海域,漁船,時期などの内容に関して詳細に考察した。また,本論文では,中国海洋漁業が抱える複雑な諸問題-水産資源,非常に多くの漁業労働力人口,特殊な漁業組織体制について述べ,さらになぜ夏季休漁体制が膨大な取引コストを要したかに関して分析を行った。
結論的に言えば,本論文において著者達は,行政的費用の低減と夏季休漁の経済効果の改善のために,いかにして効率的な漁業協同組織の建設が必要であるかという点を明らかにした。