抄録
上腕骨遠位端coronal shear fracture 11例12肘の治療成績を後向きに調査した.Dubberley分類type 1A,2Aは拡大外側アプローチでheadless screwで固定し,type 3Bで粉砕高度な場合は肘頭骨切りによる後方進入でplate,screw,Kirschner鋼線等を組み合わせて固定した.最終調査時の肘関節平均自動屈曲130° ,伸展-13° ,JOA-JES score平均92点であった.変形が残った6肘はすべてtype 2B,3Bであり, 4肘は小頭が中枢に転位して癒合し,1肘は偽関節,1肘は小頭と滑車の一部が壊死して関節症変化を生じた.Type Aはheadless screw固定が有用であったが,type 3Bではheadless screwは剪断力で傾き,plate固定ではscrewが薄い骨片を把持できず,良好な固定性獲得は困難であった.