地域漁業研究
Online ISSN : 2435-712X
Print ISSN : 1342-7857
論文
生鮮マグロ類における産地流通構造の実態とその展望
鹿児島市場、勝浦市場、油津市場を事例として
タポウ-タウファ サロメ久賀 みず保佐野 雅昭
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2013 年 53 巻 1-2 号 p. 75-107

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抄録

近年,国際規制の強化などによって日本への冷凍マグロ類の供給量が減少している。そうした中で,生鮮マグロ類の重要性が高まっているが,その流通構造は明らかになっていない。そこで本研究の目的は,第1に生鮮マグロ類の流通構造を明らかにし,第2に現代的な生鮮マグロ流通において重要な機能を明らかにした。そして第3に,生鮮マグロ流通の今後のあるべき姿を展望することとした。研究対象は,マグロ類のうち西日本において生鮮流通量の最も多いキハダに着目し,生鮮キハダの有力産地である鹿児島市場,勝浦市場,油津市場の3つの卸売市場を事例に,実態調査と比較分析を行った。

分析の結果,今後,生鮮マグロ流通においては,産地でフィレやブロックに加工し,それらを消費地の量販店に直接納入するという加工機能が重要であることが明らかになった。産地に加工機能が存在することで,産地と消費地すなわち量販店との直接的な流通チャネルが形成されているのである。今後も量販店がマグロ類のメインユーザーであり続ける限り,産地加工機能が生鮮マグロ流通に求められるであろう。

また,その加工機能は長時間輸送による品質劣化を防ぐため,消費地近隣に存することが重要な条件となる。従って,消費地近隣の生鮮マグロ産地は優位性を持つであろう。一方,消費地から遠く離れた産地においては,加工機能を有しなおかつ消費地近隣にある企業と提携関係を結ぶという,新たな流通チャネルを構築することが必要となるであろう。

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© 2013 地域漁業学会
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