本研究では,枕崎市におけるかつお節産業の課題を労働力の側面から考察した。具体的には,インドネシアでのかつお節産業との対比や,枕崎市における労働市場分析や外国人労働力の位置づけを分析した。その結果,枕崎市のかつお節産業は,外国人労働力に依存して生産された原料カツオを,外国人労働力に依存してかつお節に加工することで現在の生産規模を維持していることが明らかとなった。今後,枕崎市が産地としての優位性を確保するためには,外国人労働力への依存によって得られている時間的猶予を有効活用し,低付加価値品の大量生産ではない生産構造を模索することが求められているといえる。