環境技術
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技術報告
3-メチルインドール等を用いた飲料水の臭気に関する基礎的研究
森 康則吉村 英基前田 明志村 恭子大熊 和行
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2010 年 39 巻 8 号 p. 475-479

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抄録
三重県における水道事業体や民間水道検査機関により構成される「三重県精度管理協議会」において,平成21年度,水道法に基づく「臭気」を外部精度管理の対象項目としたことを契機に,厚生労働省告示法および上水試験方法に基づく官能法試験の技術検討を行った.臭気物質として,3-メチルインドールおよびフェノールを対象とし,それぞれの臭気閾値を算出した.その結果,無臭味水により希釈した3-メチルインドールは 0.1μg/L,水道水により希釈したフェノールは0.3µg/L,無臭味水により希釈したフェノールは1,000µg/Lであった.希釈水の違いによるフェノールの臭気閾値の差は,水道水中の残留塩素によるクロロフェノールの生成が影響したものと考えられる.0.5µg/L 3-メチルインドール溶液および5µg/Lフェノール溶液(水道水希釈)の臭気強度(TON)について測定を行ったところ,それぞれTON=13,TON=19の結果が得られた.ただし,両溶液とも得られたTONは極めてばらつきが大きく,より個人差を低減させた測定法への改良の必要性が示唆された.
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© 2010 環境技術学会
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