環境技術
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琵琶湖南湖の富栄養化解析 (3)
―富栄養化状態の経時変化―
藤井 滋穂宗宮 功
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1984 年 13 巻 11 号 p. 781-785

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抄録

1976年4月からの5年間の調査に基づき, 南湖の富栄養化に関連する水質指標の経年変化について考察した.時系列データからトレンド成分を抽出するためには移動平均法を利用した.年平均でみると, P-COD濃度は2.48mg/l (1976) から1.96mg/l (1981) に減少しているが, Chl.a濃度は10.3μg/lから14.4μg/lに増大していた.pH値はその間徐々に増加していた.このことから, 湖内の主要汚濁因子が外来性の有機物有荷から藻類による内部生産に移行しつつあることが示される.一方, 栄養塩類ではT-N, T-Pは増加していたが, その無機態部分は逆に減少していた.この結果も藻類生産量がこの間に増加傾向にあったことを示している.このような経年変化の特徴は湖内のすべての地域で観察されているので, 南湖の富栄養化が特定の局所的な地域だけでなく全域で進行していることが示された.

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