バルキング対策を契機として進めてきた分流式下水処理場の運転法の改善について報告する.処理場の運転法を改善するためには, プロセスの状況を正確に把握して, 運転に反映することが肝要である.
新南陽浄化センターでは日常的に記録している運転データを整理・解析し, SRT管理を基本方針とする運転法を実施した.データ解析としては, SVIと各種の運転データの相関分析を行い, SRTの長期化がSVI上昇の誘因となっていることを見いだした.そして実証実験によってこれを確認した.またこの運転法によってプロセスが安定し, 放流水のCOD濃度の低下及び安定化を確認できた.さらにバルキング対策の一環として導入した嫌気, 好気法による窒素・リンの除去状況について考察し, 曝気槽流入水のBOD物質濃度が律速となっている可能性のあることを見いだした.