淀川における水質変動特性を把握するため, 湛水区間の豊里大橋地点で, 1989年5月~12月の間に, 11項目の水質の経日測定を行い, これについて相関分析と主成分分析を行った, そして淀川上流の3河川について, 1973~1985年にかけての調査結果を解析し, 両者の比較を行った.
流量は, すべての地点で, 汚濁項目あるいは都市活動の指標項目で, かつ溶解性の物質との間に高い負の相関性を示した.また経日観測の結果では, 浮遊物質が, 高い正の相関を示した.これは降雨時の流出や河道の攪乱による懸濁粒子の増加によるものと考えられた.第1主成分は, 流量の変化の影響を示すもので, 流入汚濁物質におよぼす希釈の影響と, 豊水~洪水時における懸濁物質の増加を含む主成分であることが判った.第2主成分は水温の影響を示す主成分で, 溶存酸素や細菌の変化に対応している.第3主成分は上流では, 懸濁性物質を示しているが, 湛水区間の豊里大橋では, 懸濁性物質が沈降し, 主成分の性格が変化していることが判った.
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