抄録
糸状性細菌が主なバルキングの原因ではあるが, 他の沈降阻害要因が存在する複合的な糸状性バルキングでは, 糸状性細菌の溶菌だけでは沈降性改善が不十分な場合がある.そのような糸状性バルキングに対して, ノニオン界面活性剤により糸状性細菌を溶菌した後に無機担体添加による汚泥比重の増加を試みた.実機試験において, ノニオン界面活性剤による糸状性細菌溶菌だけではほぼ完全に糸状性細菌が溶菌しても, 沈降性の改善が小さかった.しかし, 鉄鋼水砕スラグを無機担体として添加することによって, 比重増加の相乗効果により活性汚泥の沈降性は著しく向上した.沈降性の悪化に糸状性細菌以外の要因がある糸状性バルキングにおいても, 十分な沈降性改善が可能となった.