環境技術
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FISH (fluorescence in situ hybridization) 法を適用したコンポスト好熱性細菌の検出技術の開発
大西 章博長野 晃弘藤本 尚志高橋 力也牛久保 明邦鈴木 昌治
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2003 年 32 巻 12 号 p. 976-985

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抄録
本報では厨芥のコンポスト化過程における好熱性細菌の菌相解析と代表的菌株の同定を行った.まず培養法で調べた結果, 厨芥のコンポスト化過程における好熱性細菌の菌相は, 運転初期は属レベルで多様であったが, 徐々にBacillus属に収束する傾向を示した.また, 常に検出されたグループは, 好熱性Bacillus属のB.licheniformisであることが示された.FISH法によりBacillus属を直接検出するための条件を検討した結果, lysozymeによる細胞壁処理を行うことによってFISH Probeが細胞内に透過し, 明確な検出が可能になった.また, lysozymeに対する耐性の低いグラム陰性菌についても固定化処理を行うことで細胞の崩壊が防御され, さらに蛍光が増大することが示された.したがって, 複合微生物系における細菌相の評価にも適用することが可能であることが示唆された.B.licheniformisを検出するFISH Probeを設計し, コンポストからの直接検出を試みた結果, 夾雑物からの自家蛍光や多数の細菌細胞の中からB.licheniformisを特異的に直接検出することが可能であった.FISH法による直接検出では, B.licheniformisは全細胞の0.5%程度であり, 菌相の推定を培養法のみに頼ることの危険性が示された.
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