日本放射線影響学会大会講演要旨集
日本放射線影響学会第49回大会
セッションID: WS1-3
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生体と放射線・電磁波・超音波
電磁場の生体影響 ~細胞実験~
*宮越 順二
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キーワード: 電磁場, 培養細胞, 影響評価
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抄録
近年、電磁波曝露の人体への影響、特に発ガンに対する影響の有無について活発に議論されている。我々の生活環境には、家電製品の発生する電磁波はもちろんのこと、医療現場におけるMRIや電磁波加温装置、また、変電所や送電線下の交流磁場、さらに将来に実現性があるリニアモーターカーや超電導電磁推進船など、地球上の自然界に存在する以上の電磁波に曝される機会が増している。我々が現在から将来にかけて生活環境中曝される可能性が高いのは、医療の診断におけるMRIの強定常磁場や主として商用周波数領域における変動磁場、つまり極低周波 (ELF: Extremely Low Frequency) 変動磁場、そして最近の普及ぶりが目覚ましい携帯電話を代表とした高周波領域の電磁波(主として我が国では900MHzおよび1.5GHz)である。電磁波の生体影響を解明する上での生物学的研究結果は、必ずしも一致した結果が得られているわけではない。細胞レベルの評価指標としては、細胞増殖、DNA合成、染色体異常、姉妹染色分体異常、微小核形成、DNA鎖切断、遺伝子発現、シグナル伝達、イオンチャンネル、突然変異、トランスフォーメーション、細胞分化誘導、細胞周期、アポトーシスなどが検討されている。本ワークショップでは、定常磁場、低周波ならびに高周波電磁場について、細胞レベルにおける影響評価や医療への応用についての現状ならびに国際動向について紹介する。
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© 2006 日本放射線影響学会
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