日本ロボット学会誌
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原子力点検用ロボットに用いる半月形クローラ車の開発
竹原 健中山 良一前田 嘉則八田 衛明
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1984 年 2 巻 3 号 p. 238-243

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抄録

原子力発電所の運転, あるいは定期点検時における作業のロボット化が最近進められている.この一つとして, 人に代わって様々な発電所内の機器装置を点検する点検用ロボットがある.現在, 通産省補助事業である原子力発電支援システムとして「格納容器内自動点検システム」の開発が進められている.このシステムは床面走行車, 点検および運転用テレビカメラ, 各種センサ, 多関節腕形機構, 信号伝送装置およびケーブル処理装置から構成されおり, 自動および遠隔で操作できるものである.
本報告では, 本システムの床面走行車について述べる.格納容器内部は, 狭あいで床はグレーチング (grating: すのこ) 床であり, また各所に階段が設置されているなど, 車の走行にとって厳しい条件となっている.これらの条件を満足する走行車として, 前後輪に操舵機構を持ち, 車体伸縮機構を車体内に持つ, 半月形4輪クローラ車を開発した.
この半月形クローラ車は, 傾斜角度45.の階段 (1段高さ: 220mm) を昇降可能で, 旋回半径が小さいので狭あいな走行路を自在に走行できることを各種走行試験を行い確認した.現在システム試験を実施中である.

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