2020 年 27 巻 1 号 p. 15-21
光電子収量分光(PYS)スペクトルから求められるイオン化ポテンシャルの導出について,数理的な自動推定アルゴリズムを開発した.このアルゴリズムは,スペクトルデータと解析関数による最小化で得られる残差を,平均絶対誤差及び平均平方根二乗誤差にて計算し,その比から解析関数が適用できる範囲(分析範囲)を推定する.これまで自動解析の検証に利用した87個の検証データを用い,このアルゴリズムによる推定を行った.これまでの回帰(最小二乗法)では50%未満の正答率だったの対し,79%まで正答率が向上した.