Journal of Surface Analysis
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Martin P. Seah博士の表面化学分析における特筆すべき功績
藤田 大介
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2022 年 28 巻 3 号 p. 197-204

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抄録
2021年6月に逝去された英国物理学研究所(NPL)名誉フェローのMartin P. Seah博士が50年余にわたって表面化学分析分野において果たした特筆すべき功績について概説する.Seah博士の学術著作から被引用件数を指標としてトップ100をピックアップし,学術分野毎の分類を試みた. オージェ電子分光法やX線光電子分光法などの表面電子分光に関連した著作が最も多く,6割近くを占める.次にランクされるのが二次イオン質量分析法(SIMS)関連分野と表面/粒界偏析に関する分野である.走査型プローブ顕微鏡法(SPM)に関連する分野も4%を占めている.Seah博士の研究対象分野は年代とともに変遷が見られる.1970年代においては,粒界偏析や表面偏析の研究が主であったが,1980年代から表面電子分光法の定量化と標準化の研究が主流となった.1990年代からはSIMSに関連した定量化と標準化の比重が高まった.さらに2000年代からはナノ解析手法としてSPMの定量化に関する研究が増えた.1980年代から始まったVAMAS-SCAと1990年代から始まったISO/TC 201において,Seah博士は表面化学分析の国際標準化に対する並外れた貢献を行った.これらについて,35年にわたる筆者との関連事象を中心に振り返る.
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© 2022 一般社団法人 表面分析研究会
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