抄録
本研究では,ディーゼルスート発生器(DPG)にエンジンオイル噴射弁を取付け,DPFに加速的にアッシュを堆積させる手法を構築した.はじめに,DPFに流入するアッシュをサンプリングし熱処理前のアッシュ粒子を対象にXRD分析およびSEM観察を行った.その結果,熱処理前は数十nmの一次粒子を有するアッシュ粒子が主体であるのに対し,DPF再生を想定した650℃加熱後のアッシュはシンタリングにより結晶化が進み,数百nmの粗大な塊状になることが分かった.さらに,強制再生頻度によってアッシュ堆積分布が顕著に変化し,堆積運転時のスート/アッシュ比が再生時のアッシュ輸送に重要な因子であることを明らかにした.