抄録
燃料電池自動車の整備において,圧縮水素容器から水素ガスを安全に脱ガスするための安価で簡易的なベント管モデルを提案するため,逆火防止弁が装着されていないベント管を考案し,その安全性を評価した.試験は,万が一,排出口部で火種があった場合の逆火の可能性の有無を調べるために,ベント管径や水素流量を変化させた条件で,排出口周囲とベント管内の水素濃度計測および排出口からの着火試験を実施した.その結果,水素排出停止後30分以内のベント管内の水素濃度は,いずれの条件でも燃焼上限値以上であり,排出口部に強制的に火種を近づけても配管内全体に逆火することはなかった.