2015 年 2015 巻 KST-25 号 p. 04-
2012年から知識・技術・技能の伝承支援研究会(SIG-KST)では討論会を実施し,SIG-KSTで扱う「知識・技術・技能」の定義・体系化を進めている.本稿では,SIG-KST第24回研究会(2015年3月5日実施)で考察された「暗黙知と形式知との関係」に対して,日常生活における具体的事象の実例として「登山」を適用し,健康と運動の側面から考察を加えた.また登山動機を題材にして「形式知から暗黙知への変換」を検討し,さらに「暗黙知の弱体化・無力化」による危険回避行動の阻害が山岳遭難に至るケースが多い点を論じた.