人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会
Online ISSN : 2436-4576
Print ISSN : 0918-5682
94回 (2022/3)
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オンライン会話における発話重複 —先行発話への阻害に着目して—
中矢 明歩岡本 雅史
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p. 13-

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抄録

本研究では、複数の会話参加者が同時に話す発話の重なり箇所を「発話重複」と定義し、オンライン会話における先行発話への「阻害」に着目して発話重複の機能を解明することを目的とする。また対面会話との違いを考察し、それぞれの発話重複の回避の仕方についても明らかにする。日常的な会話場面の1つである4人組の「飲み会場面」を取り上げ、対面会話2組、オンライン会話2組の映像を観察した。発話重複の回数や生起箇所、言い止めの生起頻度などを定量的に分析し、その後発話重複による先行発話への阻害の有無を、発話内容や発話重複が生起するタイミングに即して定性的に考察した。その結果、オンライン会話は対面会話よりも先行発話への阻害の機能をもちやすく、発話重複の中でも「自己選択競争による同時発話」、「割り込み・意図的介入」、「TRPの誤認」、「ターンを要求しない発話」による重複は阻害のある発話重複になりやすいことが示唆された。

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© 2022 人工知能学会
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