2022 年 14 巻 3 号 p. 313-316
症例の概要:患者は73歳の女性で義歯の不適合に起因する咀嚼困難を主訴に来院した.臼歯部に咬合支持がなく,いわゆるすれ違い咬合であった.適切な咬合平面を設定した後,上顎に根面アタッチメントを用いたオーバーデンチャー,下顎に歯冠外アタッチメントを用いた可撤性義歯による最終補綴装置を装着した.
考察:オーバーデンチャーを使用することによって,歯根膜粘膜支持と咬合平衡を得て咀嚼機能および審美障害の改善を図ることができた.
結論:適正な前処置の後に金属床義歯を装着することにより義歯の安定性が得られ,良好な評価と,長期の維持につながったと考える.