2009 年 71 巻 2 号 p. 2_53-2_59
本研究では,乗用トラクタのブレーキペダル位置によって運転者の右下肢に与える負担を定量的に評価する実験を行った。本実験では,ブレーキペダル位置可変型乗用トラクタのモックアップを利用した。本実験には7名の健康な男性に被験者として参加してもらい,実験条件は座席基準点より前方向に4段階,垂直方向に3段階の計12条件でブレーキペダルを配置し,それぞれ100Nで踏んでもらった。また,筋電位計測,2次元画像解析による関節のトルク推定を行った。合わせて,主観的負担評価を行った。その結果,ペダルは座席基準点から見て手前,奥,下方では右下肢の負担が高くなり,それ以外は負担が小さいことがわかった。