農業機械学会誌
Online ISSN : 1884-6025
Print ISSN : 0285-2543
ISSN-L : 0285-2543
71 巻, 2 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
論説
特集
テクノトピックス
論文
研究論文
  • ——乳質測定装置の精度および生乳の温度変動が精度に与える影響——
    川崎 正隆, 川村 周三, 中辻 浩喜, 夏賀 元康
    2009 年71 巻2 号 p. 2_39-2_45
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2012/10/24
    ジャーナル フリー
    搾乳時における乳質の連続測定技術の開発を目標に,近赤外分光法を用いた乳質測定装置を試作した。乳成分を測定する検量線を作成し,装置の測定精度を検証した。その結果,乳成分を精度良く測定できた。また実用を想定し,生乳の温度変動が測定精度に与える影響を検証した。その結果,検量線作成に用いた試料の温度範囲内の生乳であれば,乳成分を高い精度で測定できた。よって様々な温度の試料を採取し検量線作成に用いる事で,検量線の温度補償が可能になる事がわかった。
  • 樹野 淳也, 田島 淳, 加藤 雅義, 石井 忠司, 玉木 浩二
    2009 年71 巻2 号 p. 2_46-2_52
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2012/10/24
    ジャーナル フリー
    著者らは,太陽電池駆動型の農作業ロボットシステムの開発に取り組んでいる。これまでに,機体の製作やレーザ距離計を用いた位置計測装置を開発してきた。また,ロボット向けに提案した局所耕うん栽培の研究成果をふまえて,耕うんと定植を同時に行う作業機を開発した。本報では,この作業機を搭載した作業車両の誘導実験について述べる。1条に30株の定植を実施させた結果,作業目標に対して約13mmの精度で作業を実施したことを確認した。この誤差の多くは,作業車両の方位角に起因した位置計測装置の誤差であると推測され,この計測誤差を解消できれば,目標としている10mm以下の制御精度が実現できる可能性があることが示唆された。
  • 瀬尾 明彦, 坂本 多佳子, 土井 幸輝, 菊池 豊, 中野 丹, 岡田 俊輔
    2009 年71 巻2 号 p. 2_53-2_59
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2012/10/24
    ジャーナル フリー
    本研究では,乗用トラクタのブレーキペダル位置によって運転者の右下肢に与える負担を定量的に評価する実験を行った。本実験では,ブレーキペダル位置可変型乗用トラクタのモックアップを利用した。本実験には7名の健康な男性に被験者として参加してもらい,実験条件は座席基準点より前方向に4段階,垂直方向に3段階の計12条件でブレーキペダルを配置し,それぞれ100Nで踏んでもらった。また,筋電位計測,2次元画像解析による関節のトルク推定を行った。合わせて,主観的負担評価を行った。その結果,ペダルは座席基準点から見て手前,奥,下方では右下肢の負担が高くなり,それ以外は負担が小さいことがわかった。
  • ——タイヤの2次元異方弾性車輪モデル——
    広間 達夫
    2009 年71 巻2 号 p. 2_60-2_65
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2012/10/24
    ジャーナル フリー
    走行時のタイヤと土の相互作用の2次元有限要素解析を行うためには,タイヤと同じ上下剛性及び前後剛性を備えたタイヤモデルが必要である。本研究では,半径方向と接線方向の縦弾性定数が異なるタイヤの異方弾性車輪モデルを検討した。このモデルの異方弾性定数は,上下剛性試験と前後剛性試験から得られる上下剛性と前後剛性を元に同定する方法を用いた。その結果,半径方向の縦弾性定数と横弾性定数はタイヤ空気圧の増加と共に増加することが分った。得られた異方弾性定数を用いて有限要素解析を行った結果,上下剛性試験結果や前後剛性試験結果と良く一致し,本モデルは妥当であることが確かめられた。
技術論文
  • ——直線経路への追従制御——
    武田 純一, 齋藤 雅憲, 鳥巣 諒
    2009 年71 巻2 号 p. 2_66-2_73
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2012/10/24
    ジャーナル フリー
    履帯式の農用車両の自律走行を実現するために,ファジィ制御理論を応用して実車での直線経路への追従制御実験を行い,制御性能を評価した。まず制御系の簡略化を図るために仮想操舵角の概念を導入し,制御入力を1入力に変換した。ファジィ制御器は仮想制御点と目標軌道との横偏差と姿勢角偏差を前件部の入力,仮想操舵角を後件部の出力とする構成とした。次に前件部のパラメータの最適化を図るため遺伝的アルゴリズムを導入し,走行速度と前方注視点距離を変化させて車線変更のシミュレーションを行った。更にコンクリート路面上において実車での車線変更実験を行い,制御性能の基礎特性を把握した結果,操舵角と姿勢角にやや時間遅れがあったが,基礎試験としてはほぼ満足できる結果を得た。
  • ——製造装置のスケールアップと廃食用油への適用——
    飯嶋 渡, 小林 有一, 竹倉 憲弘, 加藤 仁, 谷脇 憲, 山下 光則, 田邊 眞介, 坂上 智隆
    2009 年71 巻2 号 p. 2_74-2_80
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2012/10/24
    ジャーナル フリー
    実用規模にスケールアップした製造装置を試作し,その性能試験を行なった。2種の異なる内径の反応管を比較した結果,14mmではメチルエステル化の反応速度が低下するため8mmが望ましく,反応温度を前報の適正温度440℃より20℃高く設定することにより前報の結果に近い成分分布が得られた。反応温度を増加させることで動粘度,流動点,ヨウ素価が減少し,低分子化が進行していることが示された。6種の異なる品質の廃食用油から製造した結果,廃食用油の品質が燃料性状に影響を与えることが明らかとなったが,反応温度の調整で対応可能であった。
  • 飯田 訓久, 大土井 克明, 柳 讚錫, 梅田 幹雄
    2009 年71 巻2 号 p. 2_81-2_87
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2012/10/24
    ジャーナル フリー
    バイオマスの利活用を促進するため,メタン発酵消化液を水稲栽培の有機肥料として施用する試みが京都府南丹市で実施されている。本研究では,基肥として消化液を機械施用するため,スラリーインジェクタを用いて施用実験を4枚の圃場で行った。GPSで測定した作業速度に応じて吐出弁開度を調節する制御システムにより,目標施用量に対して-6.5~1.4%の誤差で施用できた。また,消化液の補給も含めた施用作業に要する時間は10a当たり25~35分であった。さらに,圃場内での窒素施用量のばらつきを可視化するため,GPSと吐出弁開度の計測データを用いてクリッギング法で施肥マップを作成した。
feedback
Top