抄録
リンゴは, 北東北地方において重要な農産物の一つである。しかしながら, その収穫作業は, 未だ人の手によって行われている。人の手による収穫作業において, リンゴ果実部は離層を中心とした円回転をしていることがわかった。さらに, 収穫に必要なリンゴ果実の枝からのもぎ取りカを調べた。この結果, 果梗を果台部の離層から脱離させるための引張り強度は約47Nであり, また離層を中心とした回転強度は約0.05N・mであった。これらをもとに, 果梗部を把持し, 離層を中心に果実部全体を回転させる機構をもつ収穫ハンドを試作した。収穫実験の結果, 90%を越える確率でリンゴ収穫が達成された。開発されたハンドは, リンゴ収穫に十分な機能を持つことがわかった。