本研究では刈払機のハンドル部振動低減のため遠心クラッチの質量をアンバランス化した。刈払機ハンドル部振動に及ぼすクラッチカバーの上下,左右方向振動寄与を,実稼働伝達経路解析を用いて分析したところ,ハンドル前後方向振動はクラッチ左右方向振動の影響が高いことが判明した。そこでクラッチシューに微小な錘をカウンターウェイトと逆相側に付加することによりクラッチ質量をアンバランス化した。その結果クラッチの上下方向振動は僅かな増加が見られたものの,寄与の高い左右方向振動は大幅に低下した。そして高寄与部位振動を重点的に低減することでハンドル前後方向の振動加速度レベルを10dB程度大幅に低減することができた。