自脱コンバインは,トラックへの積み下ろしや圃場への出入りの際にピッチング方向の機体姿勢が急速に変化し,オペレータの転落や転倒事故に繋がる可能性がある。本研究では,このような自脱コンバインの挙動を力学的に解明するために,上下・ピッチング・ローリングに加え,前後方向を考慮した4自由度での挙動モデルを立案した。また,これらの挙動モデルを用いて剛性傾斜路面走行時の挙動シミュレーションを行った。その結果,圃場進入時を想定した前進降り,および後進登坂終了時に転倒し易いことがわかった。これら転倒防止のためには,路面傾斜角度23° 以下,走行速度0.25 m/s以下で走行する必要があることが明らかになった。