2019 年 81 巻 4 号 p. 227-232
種々のpH(pH 5.4-7.4)のナトリウム化合物溶液における大腸菌の熱死滅について調べた。リン酸緩衝生理食塩水(PBS;pH 7.4)に懸濁した大腸菌は,蒸留水に懸濁したものよりも,大腸菌に対する熱死滅が促された。また,PBS中のナトリウムイオンおよびカリウムイオンが大腸菌の熱死滅を促進すると明らかにした。さらに,菌懸濁液に塩化ナトリウム溶液またはリン酸水素二ナトリウム溶液を用いた場合,大腸菌の熱死滅は,弱酸性下に比べ,中性下で促進された。以上のことから,中性領域の環境下では,ナトリウム化合物の添加により大腸菌の熱死滅を促すことができると考えられる。