著者らはディスク式の畝立て播種機による大豆播種の高速化を検討しており,中耕培土機とダブルプレート式種子繰り出し機構で構成した試作機で作業速度1.5 m/sを達成した。しかし,近年普及が進む殺虫・殺菌剤を塗抹した種子を用いたところ,2割を超す種子に損傷が発生し,欠粒は最大3割に達した。薬剤により種子の動摩擦抵抗は2倍程度に,さらに種子繰り出し機構内部にも薬剤が付着すると3倍に達していた。そこで,切り欠き形状をU字に変更した大豆用播種プレートを試作し,4品種,粒径3種類で繰り出し試験を行った。その結果,種子の損傷がほぼなくなり,繰り出し速度20 /s(作業速度2.5 m/sに対応)でも欠粒2 %以内と安定動作を実現できた。