顕在化する気候変動と我が国の農業就業者の高齢化に起因して,農作物収量の減少と農業の衰退が懸念されている。低炭素社会の実現と食料・エネルギー生産の両立による農業就業者の確保を目指すために,営農型太陽光発電は魅力的な技術の一つである。しかしながら,実フィールドにおける発電効率と作物収量に関する知見は極めて乏しい。本研究では,実規模の有機栽培水田内にパネルの動きが異なる3つの太陽光発電領域を設置し,水稲の生育や収量と光制御の関係の実証試験を行った。影の比率が58 %の区画も存在したが,玄米収量と影の比率に相関関係は認められなかった。更にパネル比率を上げ,架台当たりのパネル容量を増加できる可能性が示唆された。