2021 年 83 巻 1 号 p. 37-47
ほ場の状況を可視化することができる分光反射データの安定した取得を実現するため,人工照明を用いた夜間のセンシング手法を考案した。本研究の最終目標はハイパースペクトルカメラを用いてほ場の分光反射データを収集しマップ化を自動で行うほ場見回りロボットの開発である。これを実現するために本稿では夜間センシングの意義を証明し最適な分光反射データを取得する方法の開発を目的とした。日中のセンシングにおいては雲の影響により急激な輝度値の変化や,太陽光の反射スペクトル特性の変化が確認された。また,人口照明を使用する際に問題となる光量偏差の補正法を検証し,夜間に高精度な分光反射データを取得できる手法を確立した。