ほ場の状況を可視化することができる分光反射データの安定した取得を実現するため,人工照明を用いた夜間のセンシング手法を考案した。本研究の最終目標はハイパースペクトルカメラを用いてほ場の分光反射データを収集しマップ化を自動で行うほ場見回りロボットの開発である。これを実現するために本稿では夜間センシングの意義を証明し最適な分光反射データを取得する方法の開発を目的とした。日中のセンシングにおいては雲の影響により急激な輝度値の変化や,太陽光の反射スペクトル特性の変化が確認された。また,人口照明を使用する際に問題となる光量偏差の補正法を検証し,夜間に高精度な分光反射データを取得できる手法を確立した。
前後二頭口の扇形ノズルを装着した,近接散布可能な平棚栽培果樹用のドリフト低減型防除機を開発した。ナシ園での清水散布実験の結果,送風量を3.8 m3/sに低減したときの開発機による散布は慣行スピードスプレーヤによる送風量7.8 m3/sでの散布と同等の付着性能でドリフトの低減が可能であった。ナシ園での薬液散布実験の結果,開発機による送風量3.8 m3/sでの近接散布では,園内最外樹列から15 m地点でのドリフトによるコマツナへの農薬残留量は0.01 ppm未満で,送風量7.8 m3/sの慣行スピードスプレーヤによる散布では,同地点での農薬残留量は0.03 ppmであり,ドリフト低減効果が認められた。
すでにアカウントをお持ちの場合 サインインはこちら