温室栽培条件におけるトマトの花房発生と環境条件の関係を明らかにし,花房発生時期を予測するための数理モデル構築を検討した。供試トマト(品種:桃太郎はるか)は,2018年9月から2019年5月の間,ガラス温室内において固形培地を用いた養液栽培によって栽培した。栽培期間を通して茎の伸長速度は漸増し,定植から58日後に25.68 cm/週へ達した。花房発生に要する期間は5~18日を示し,花房ごとの積算温度は86.5から279.1 °C.day,積算日射量は31.6から230 MJ/m2 の範囲を示した。花房発生期間と積算温度の間には高い相関が確認された(r=0.93)。積算温度及び積算日射量を説明変数とした重回帰分析の結果,花房発生期間を高い精度で予測可能であることが確認された(r=0.94,RMSE=0.71)。