農業食料工学会誌
Online ISSN : 2189-0765
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83 巻, 2 号
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論文
研究論文
  • クオン チ ドアン, 田中 宗浩
    2021 年83 巻2 号 p. 87-94
    発行日: 2021/03/01
    公開日: 2024/03/08
    ジャーナル フリー

    温室栽培条件におけるトマトの花房発生と環境条件の関係を明らかにし,花房発生時期を予測するための数理モデル構築を検討した。供試トマト(品種:桃太郎はるか)は,2018年9月から2019年5月の間,ガラス温室内において固形培地を用いた養液栽培によって栽培した。栽培期間を通して茎の伸長速度は漸増し,定植から58日後に25.68 cm/週へ達した。花房発生に要する期間は5~18日を示し,花房ごとの積算温度は86.5から279.1 °C.day,積算日射量は31.6から230 MJ/m2 の範囲を示した。花房発生期間と積算温度の間には高い相関が確認された(r=0.93)。積算温度及び積算日射量を説明変数とした重回帰分析の結果,花房発生期間を高い精度で予測可能であることが確認された(r=0.94,RMSE=0.71)。

  • 斎藤 嘉人, Wen-Hsin CHIANG, 近藤 直, 鈴木 哲仁
    2021 年83 巻2 号 p. 95-104
    発行日: 2021/03/01
    公開日: 2024/03/08
    ジャーナル フリー

    豆腐の物性は微細構造の影響を大きく受けるが,これまで豆腐の微細構造の定量的な解析は行われてこなかった。本研究では,凝固剤濃度の異なる3種類の豆腐の微細構造を,幾何学的パラメータとハラリックテクスチャ特徴量を用いて定量化した。硬さの指標であるヤング率は凝固剤濃度が高くなるにつれて増加した。幾何学的パラメータのうち,凝固剤濃度が高くなると孔数は増加し,孔の平均サイズは減少した。ハラリックテクスチャ特徴量に主成分分析を適用したところ,Sum Varianceが最も高い因子負荷量を示し,凝固剤濃度が中程度のときに最も高い値を示した。以上より,豆腐の微細構造特性は豆腐の物性を示す指標として有用である可能性が示唆された。

技術論文
  • 花形 将司, 海津 裕, 丸尾 達, 芋生 憲司
    2021 年83 巻2 号 p. 105-118
    発行日: 2021/03/01
    公開日: 2024/03/08
    ジャーナル フリー

    空気熱源ヒートポンプを活用してトマトを栽培する,関東地方に設置された2棟の太陽光利用型植物工場において,電力需要特性を分析し,エネルギー管理指標を提案した。電力エネルギーの85 %以上がヒートポンプで使用され,外気温と高い相関があった。通年の指標として,「栽培施設の単位表面積あたりの月間電力使用量」(面積原単位)が有効であった。管理の基準値は外気温をもとに求められたが,作型や栽培施設内設定気温によって異なった。暖房時の安定生産期間では,「面積原単位/単位床面積あたりの月間収量」が有効であり,改善のために,提案した省エネ対策に加え,二次育苗を活用した生産期間延長等,栽培面での対策が必要と考えた。

  • 小林 有一, 坪田 将吾, ダン クオック トゥエット, 土師 健, 松尾 守展, 川出 哲生, 久保 陽拓, 戸舘 裕紀, 戸田 勉
    2021 年83 巻2 号 p. 119-124
    発行日: 2021/03/01
    公開日: 2024/03/08
    ジャーナル フリー

    ニンニク盤茎の根を切削する調製作業を,簡便かつ安全に行うニンニク盤茎調製機を開発し,その性能について試験した。調製機は,円錐状の刃物をレバー操作で盤茎に押し当て根を切削する方式で,操作に関しては個人差が生じず,熟練の技術を要せずとも安全に一人で作業がすることができる。鱗片が6片程度で盤茎が円に近く,形状が整ったニンニクであれば,程度良く根スリが可能である。鱗片の数が多かったり,一部が肥大し形状が崩れていたりする場合には,削り残し等が発生することがある。実作業を模した試験での結果,作業能率は約380個/hであった。

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