2024 年 86 巻 1 号 p. 44-51
系の安定解析ではオープンループ制御として考察することが一般だが,実際の人による運転ではクローズドループによる操舵制御が行われており,事故もその過程で発生する。本研究では,クローズドループ制御系による農用トラクタ-トレーラ系の安定性解析を行った。その結果,オープンループ系では不安定化するが,クローズドループ制御系では安定化できることを確認した。また,ドライバの前方注視距離が車両近傍になると,目標コース追従時の減衰性能が悪化し,不安定になることもわかった。国内で使用されている小型トラクタであっても,走行速度が速い状態では,前方注視距離が短くなる運転の仕方をすると不安定挙動を発生させ,事故に至る危険性があることを理論的に明らかにした。